今回は、以前の歯の豆知識ブログでお話した【根面う蝕】の予防方法についてお話していきます。
おさらいになりますが、根面う蝕とは高齢者の方に多く見られる虫歯の一種です。歯ぐきが年齢とともに下がることで、歯の根っこがむき出しになります。むきだしになった根っこにできる虫歯のことを根面う蝕といいます。
目次
~歯の構造と初期虫歯の自然治癒。再石灰化のおはなし~
再石灰化とは、お口の中で常に起きている現象です。 歯を脱灰から守るだ液の自然治癒のメカニズムのことです。 ミネラルを損失し、結晶構造がすかすかになっている歯の表層下脱灰層 (初期むし歯)に対して、だ液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、エナメル質の結晶を新しく形成し、元の健康な状態に戻す現象です。
ここでいう“エナメル質”とは、歯ぐきの上に出ている歯の頭の部分を指します。
この、エナメル質は再石灰化を期待できる部分になります。
それに対し、歯の根っこは“セメント質”と呼ばれるまた別の部分になります。
このセメント質というものはエナメル質同様の再石灰化は期待できないのです
根面う蝕の進行を予防することはできるのか??
先ほど、根っこの再石灰化を期待できない・・・とお話しました。
ですが、歯のミネラルが多い状態で保つことができれば歯の硬さを回復してあげることはできるのです。
しかし、お口の中のpHやだ液中のカルシウムなどの濃度をコントロールすることは難しいです。
ではどうすればいいか??
答えは・・・『フッ素』です!!
歯のミネラルの再沈着を促すためにはフッ素がとても有効です。
根面う蝕の初発を防ぐためには??
根面う蝕も虫歯の一種です。
進行予防も、初発の予防も『フッ素』がとても有効なのです。
フッ素入りのハミガキ粉を使用したり、洗口剤を使用することはとても効果的だと考えられます。
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、『ジェルタイプのハミガキ粉』もとても有効です。
ジェルタイプのものを歯間ブラシにつけ、歯間部や根っこに塗ることでその部分に停滞し効果を発揮しやすくなるのです。
まとめ
・根面う蝕の予防には、歯ぐきが下がってしまう前に行う歯肉退縮予防と、歯ぐきが下がってしまったあとに行う露出した根っこの虫歯予防の2つの段階があります。
・軽度の根面う蝕の場合は無理に削らず、フッ素を積極的に応用していきましょう(ハミガキ粉と洗口剤の両方を使用するなど)
・根面う蝕の予防には定期的に歯医者に通い、お口の中の状態をこまめに確認・清掃していくことも重要です!
ご自身の歯でおいしく食事を楽しむためにも、上手に歯医者を使ってくださいね!!