若年者とは違う?! 高齢者の虫歯の特徴やリスクとは?

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今回の歯の豆知識は高齢者の虫歯についてです。
若年者と高齢者では虫歯の特徴が異なります。

目次

高齢者のお口の中の特徴とは??

高齢者のお口の中の環境は一般に次のような特徴があります。

①だ液(つば)の分泌量が少なくなる
②歯を失うことにより、歯並びが複雑になる
③歯ぐきが下がる(退縮)ことによって、歯の根っこの露出。それによる歯間部の隙間の増大
④麻痺などによる噛むための筋肉の筋力低下、機能の低下
⑤痛覚を感じにくくなる

①~④はご自身でのハブラシ、セルフケアが難しくなる原因です。
⑤は痛みを感じることによる疾病への警告が弱くなることを意味します。これにより、虫歯の発見が遅れる可能性が高くなります。

また、歯ぐきが下がることによる歯の根っこの露出では、新しい虫歯の発生部位が出現することを意味します。(若年者では歯の根っこの虫歯のリスクは低い)
これらが相まって、高齢者の虫歯のリスクを大きくしているのです。

根面う蝕(こんめんうしょく)とは?

高齢者に特徴的な虫歯の一種です。先ほど述べた歯の根っこの虫歯のことを根面う蝕といいます。
歯の根っこは歯の質が弱いため、通常の虫歯と異なり再石灰化を期待することができません。そのため、いったん歯の根っこにむし歯ができてしまうと自然に修復することはありません。
また、もうひとつの特徴としては歯の根っこは細いために小さく虫歯ができるだけで、歯の神経に到達してしまいます。
さらに、根っこの全周にわたり広範囲に虫歯が進行する傾向にあるので、根っこが折れて歯の頭が丸ごと無くなってしまうこともあります。

根面う蝕はどれくらいの頻度で生じるの??

日本人では39%(2006年報告。対象60~78歳)
ドイツでは27%(2004年報告。対象60~79歳)
トルコでは18%(2003年調査。対象65歳以上)といった疫学調査報があります。
これらの結果を見ると、日本人には根面う蝕をもつ方が多いことがわかります。
高齢になり、歯周病になってもなお歯が残っている場合に根面う蝕は発生します。

日本の場合には、寿命は世界で最も長いのに、すべての歯を失ってしまった方の割合はとても低いのです。
日本人の根面う蝕の割合が多いのは、高齢になっても歯が残っているという事実の裏返しでもあります。

まとめ

・高齢の方の場合、歯ぐきが下がることで根っこに虫歯をつくりやすくなります。
・根面う蝕は高齢で、歯が残っているほどリスクが高くなります。

ご自身の歯を少しでも虫歯のリスクから守るためにも、歯医者で定期的にお口の中の状態を確認し清掃していきましょう!

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