虫歯の初発は歯のいちばん表面のエナメル質と呼ばれる部分が虫歯菌の出す、酸によって溶かされることで起こります。
ちなみにですが、このエナメル質とは、骨よりも硬く体の中で一番硬い部分です。
このエナメル質の主成分はカルシウムなどのミネラルの結晶です。
このミネラルが結晶から溶け出すことを脱灰といいます。
逆に、脱灰したところに再びミネラルがくっつき、沈着することを再石灰化といいます。
初期虫歯の状態であれば、この再石灰化によって溶けてもろくなりかけた歯を自然に修復してくれます!つまり、元の健康な状態に戻してくれるのです!!
脱灰と再石灰化のバランスと、歯のミネラル量の関係によって、虫歯ができるかどうかが決まります。
脱灰した量よりも再石灰化した量の方が多い場合は虫歯にならず、健康な歯の状態です。
逆に、脱灰した量が再石灰化した量よりも多い場合は虫歯になってしまいます。
このように、ミネラルの出入りは健康な歯でも常に行われているのです。
目次
生えたての歯は虫歯になりやすい!
実は、歯の生えたての状態は歯自体がまだまだ弱い状態です。生えてすぐの状態はミネラルを蓄えていない状態なのですぐに虫歯になってしまうのです。
その時期に虫歯にならずに乗り切ることができると、徐々に歯がミネラルを蓄えることで数年後にはミネラルの多い丈夫な歯になります!!
大人になれば虫歯はできない?
一般的には、成人になって虫歯が初発するリスクは、こどものときと比べてとても低いです。
これは、歯が丈夫になることと同時に、虫歯の原因菌(ミュータンスレンサ球菌)がお口の中への定着状態が成人するまでにほぼ安定するからです。
虫歯の発生のリスクは①歯の質②菌③食事④時間の4つのバランスによって変わると言われています。
この中の ②菌 が成人になることで安定するために虫歯のリスクがこどもの頃と比べて低くなります。
そのため、こどもの頃に虫歯にならなかった歯が、大人になって急に虫歯になるといったことはまず起こらないわけです。
ただし!虫歯の発生リスクの ③食事 と ④時間 もありますから、成人でも急に食生活や生活リズムが変わったりすれば、虫歯へのリスクは増します!!
まとめ
・歯の生えたてのタイミングは虫歯になりやすいです。
歯が生えて2~3年は虫歯予防により力を入れると効果的でしょう!
新しい歯が生える時期には個人差がありますが、『中学卒業くらいまでは虫歯リスクが高く、虫歯予防に力を入れるべき』と考えていただけるとよろしいかと思います!
・一方、成人の方であっても、虫歯のリスクは生活環境の変化によって大きく変わります。
ですから、就職、転勤、結婚、出産などの人生の大きなイベントがあったとき。また、今回のコロナによる生活様式の変化などによっても虫歯のリスクが高まると考えられます。